「ように」と「ために」の違い|意志動詞・無意志動詞で決まる目的の使い分け
日本語の「ように」と「ために」は、どちらも「目的」を表します。
しかし、目的の種類がちがうため、学習者がとてもまちがえやすいポイントです。
一言でまとめると
| 表現 | 目的の種類 | ポイント |
|---|---|---|
| ように | 結果・状態(=無意志動詞が多い) | 自分ではコントロールできない結果を目指す |
| ために | 意図・行動(=意志動詞が多い) | 自分の意志でできる行動・目標を目指す |
この記事でわかること
- 「ように」と「ために」の基本的な違い
- 目的の種類(意図/結果)
- 使い分けのポイント
- よくある間違い
- 練習問題で理解をチェックできる
1. 「ように」= 結果・状態の目的
「ように」は、自分の力ではコントロールできない結果・状態を目的にするときに使います。
(※ このときの動詞は、無意志動詞が多い)
(例:上手になる、聞こえる、起きる、見える など)
※ 行動そのものではなく、その結果の状態がコントロールできないときに使うのがポイント。
(1)能力・状態の変化(無意志動詞)
- 日本語が上手になるように、毎日練習しています。
- 速く走れるように、毎日トレーニングしています。
- 料理ができるように、動画を見ています。
(2)結果としてそうなる目的(無意志動詞)
- 風邪をひかないように、マスクをします。
- 忘れないように、メモをします。
- 事故が起きないように、ゆっくり運転します。
- 子どもが起きないように、静かに話しました。
(3)習慣・ルールの目的(状態の結果)
- みんなが読めるように、大きな字で書きました。
- お客さんが入りやすいように、ドアを開けておきます。
例文
・ 日本語が聞こえるように、テレビの音を大きくしました。
・ 迷わないように、地図を持っていきます。
・ けがをしないように、ヘルメットをかぶります。
・ 眠くならないように、コーヒーを飲みました。
・ 雨が入らないように、窓を閉めました。
・ みんながわかるように、ゆっくり説明します。
2. 「ために」= 意図・行動の目的
「ために」は、自分の意志でできる行動・目標を目的にするときに使います。
(※ このときの動詞は、意志動詞が多い)
(例:買う、行く、助ける、作る、勉強する など)
(1)意図を持った行動(意志動詞)
- 日本語の試験に合格するために、勉強しています。
- 車を買うために、お金をためています。
- 健康になるために、運動しています。
(2)具体的な目標(意志動詞)
- 仕事を見つけるために、日本へ来ました。
- 大学に入るために、毎日勉強しています。
- 料理が上手になるために、料理教室に通っています。
(※「ように」も文法的には可能だが、“目標”が明確な場合は「ために」が自然)
(3)人の意志が関わる目的(意志動詞)
- 友だちを助けるために、急いで行きました。
- 家族のために、毎日働いています。
- いい点を取るために、復習しています。
例文
・ 日本語を教える仕事をするために、資格を取りました。
・ 海外旅行をするために、パスポートを作りました。
・ 早く終わらせるために、みんなで協力しました。
・ きれいな写真を撮るために、新しいカメラを買いました。
・ 体力をつけるために、毎朝走っています。
・ 料理を作るために、スーパーへ行きました。
・ いい家に住むために、貯金しています。
3. 「ように」と「ために」の違いがよくわかる例(場面別)
(1)勉強の場面
・ 日本語が上手になるように練習しています。
・ 日本語の試験に合格するために勉強しています。
(2)健康の場面
・ 風邪をひかないようにマスクをします。
・ 健康になるために運動します。
(3)結果 vs 意図(より日常的な例)
・ 焦げないように、弱火にしました。
・ 早く作るために、強火にしました。
・ 風が入らないように、ドアを閉めました。
・ 空気を入れ替えるために、ドアを開けました。
(4)行動の目的
・ 忘れないようにメモをします。
・ 仕事を早く終わらせるためにメモを整理します。
(5)安全の場面
・ 事故が起きないように、ゆっくり運転します。
・ 早く着くために、タクシーに乗りました。
4. まとめ(表でスッキリ)
| 表現 | 主な意味 | 使う場面 | 例文 |
|---|---|---|---|
| ように | 結果・状態(無意志動詞) | ・能力の変化 ・結果としてそうなる ・習慣・ルール | 風邪をひかないように、マスクをします。 |
| ために | 意図・行動(意志動詞) | ・目標 ・意志のある行動 ・具体的な目的 | 試験に合格するために、勉強します。 |
5. よくある間違い
「ように」と「ために」はどちらも“目的”を表すため、
どちらも使えるように見えてしまうのが、学習者がまちがえる原因です。
しかし、動詞の種類(意志/無意志)によって使い分けが必要です。
つまり、「ように/ために」は“目的の種類”だけでなく、
その文に使われている動詞が 「意志動詞」か「無意志動詞」か によって決まります。
●「ように」が正しいのに「ために」を使ってしまう例(無意志動詞)
・ × 日本語が上手になるために、勉強します。
○ 日本語が上手になるように、勉強します。
(※ 上手になる=無意志動詞)
・ × 風邪をひかないために、うがいをします。
○ 風邪をひかないように、うがいをします。
(※ 風邪をひく=無意志動詞)
・ × 事故が起きないために、注意します。
○ 事故が起きないように、注意します。
(※ 起きる=無意志動詞)
●「ために」が正しいのに「ように」を使ってしまう例(意志動詞)
・ × 車を買うように、お金をためています。
○ 車を買うために、お金をためています。
(※ 買う=意志動詞)
・ × 日本へ行くように、パスポートを作りました。
○ 日本へ行くために、パスポートを作りました。
(※ 行く=意志動詞)
・ × 仕事を見つけるように、日本へ来ました。
○ 仕事を見つけるために、日本へ来ました。
(※ 見つける=意志動詞)
・ × 早く終わらせるように、みんなで協力しました。
○ 早く終わらせるために、みんなで協力しました。
(※ 終わらせる=意志動詞)
6. 練習問題(理解チェック)
(1)正しい助詞を選んでください
① 日本語が上手になる(ように/ために)毎日練習しています。
② 試験に合格する(ように/ために)勉強しています。
③ 風邪をひかない(ように/ために)マスクをします。
④ 仕事を見つける(ように/ために)日本へ来ました。
⑤ 事故が起きない(ように/ために)ゆっくり運転します。
⑥ 忘れない(ように/ために)メモをしました。
⑦ 大学に入る(ように/ために)毎日勉強しています。
⑧ 子どもが起きない(ように/ために)静かに歩きました。
⑨ 早く着く(ように/ために)タクシーに乗りました。
⑩ けがをしない(ように/ために)ヘルメットをかぶります。
(2)自然な日本語にしてください(書き換え)
① 日本語が上手になるために、毎日練習しています。
② 風邪をひかないために、マスクをします。
③ 子どもが見えるために、電気をつけました。
④ 事故が起きないために、ゆっくり運転します。
⑤ 眠くならないために、コーヒーを飲みました。
(3)ように/ために を使って文を作ってください
(例)目的:忘れない → 忘れないように、メモをします。
① 目的:健康になる →
② 目的:日本語が聞こえる →
③ 目的:早く終わらせる →
④ 目的:料理が上手になる →
⑤ 目的:雨が入らない →
7. 解答(理由つき)
(1)選択問題
① ように(上手になる=無意志動詞)
② ために(合格する=意志動詞)
③ ように(ひかない=結果)
④ ために(見つける=意志動詞)
⑤ ように(起きない=無意志動詞)
⑥ ように(忘れる=無意志動詞)
⑦ ために(入る=意志動詞)
⑧ ように(起きない=無意志動詞)
⑨ ために(着く=意志動詞で目的が明確)
⑩ ように(けがをしない=結果)
(2)書き換え
① 日本語が上手になるように、毎日練習しています。
② 風邪をひかないように、マスクをします。
③ 子どもが見えるように、電気をつけました。
④ 事故が起きないように、ゆっくり運転します。
⑤ 眠くならないように、コーヒーを飲みました。
(3)作文(例)
① 健康になるために、運動しています。
② 日本語が聞こえるように、テレビの音を大きくしました。
③ 早く終わらせるために、みんなで協力しました。
④ 料理が上手になるために、料理教室に通っています。
⑤ 雨が入らないように、窓を閉めました。
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