助詞の選び方は動詞で決まる|中級でまちがえやすい動詞の組み合わせ【シリーズ2】

日本語の助詞

助詞の選び方は動詞で決まる|中級でまちがえやすい動詞の組み合わせ【シリーズ2】

シリーズ1では、よく使う基本の動詞と助詞の組み合わせをまとめました。
シリーズ2では、学習者がもっとまちがえやすい動詞を中心に、やさしく整理します。

この記事でわかること

  • 中級レベルでよくまちがえる助詞の使い分け
  • 「に/と」「に/を」「に/で」などの細かい違い
  • 自然な例文で使い方を確認できる
  • 練習問題で理解をチェックできる

1. 人に関係する動詞(に/と/を)

(1)相談する → と/に

ポイント
・「と」=いっしょに考える相手
・「に」=相談を持ちかける相手

例:
・先生と相談します。(いっしょに考える)
・先生に相談します。(相談を持ちかける)
・友だちに相談しました。


「と」「や」「など」の違いがわかると、この動詞の使い方がもっと理解しやすくなります。
と・や・など の違い|完全列挙と不完全列挙・例示の使い分け

(2)電話する → に

例:
・友だちに電話します。
・会社に電話しました。
・家族に電話してみます。

(3)連絡する → に

例:
・先生に連絡します。
・会社に連絡してください。
・友だちに連絡しました。

(4)質問する → に

例:
・先生に質問します。
・店の人に質問しました。
・先輩に質問してみます。

(5)手伝う → を

ポイント
「人を手伝う」=人を助けるイメージ

例:
・友だちを手伝います。
・お母さんを手伝いました。
・先生を手伝いました。


「が」と「を」の違いがわかると、この動詞の使い方がもっと理解しやすくなります。
が・を の違い|主語と対象でわかる助詞の使い分け

2. 動きに関係する動詞(に/を/から)

(1)乗る → に

例:
・電車に乗ります。
・バスに乗りました。
・自転車に乗れます。

「に」は乗る対象を表します。「に」と「へ」の違いも合わせて学ぶと理解が深まります。
→ 「に・へ の違い」はこちら

(2)降りる → を/から

ポイント
・「を」=降りる場所(一般的)
・「から」=出発点(説明的)

例:
・電車を降ります。
・電車から降ります。(どちらも自然。会話では「を」がよく使われます)
・バスを降りました。

(3)通る → を

例:
・公園を通ります。
・道を通って学校へ行きます。
・川のそばを通ります。

(4)渡る → を

例:
・橋を渡ります。
・道を渡ってください。
・川を渡りました。

(5)出る → を/から

ポイント
・「を」=出る場所
・「から」=出発点

例:
・部屋を出ます。
・家から出ます。
・学校を出ました。

3. 感情・思考に関係する動詞(に)

(1)似ている → に

例:
・お母さんに似ています。
・この味はチョコレートに似ています。
・兄に顔が似ています。

(2)驚く → に

例:
・そのニュースに驚きました。
・大きな音に驚きました。
・結果に驚きました。

(3)感動する → に

例:
・映画に感動しました。
・話に感動しました。
・音楽に感動しました。

(4)影響を受ける → に

例:
・友だちに影響を受けました。
・音楽に影響を受けています。
・先生に影響を受けました。

(5)興味がある → に

例:
・日本語に興味があります。
・文化に興味があります。
・歴史に興味があります。

4. 行為に関係する動詞(に/で/を)

(1)参加する → に

例:
・大会に参加します。
・イベントに参加しました。
・会議に参加します。

(2)申し込む → に

例:
・日本語クラスに申し込みます。
・ツアーに申し込みました。
・イベントに申し込みました。

(3)失敗する → に/で

ポイント
・「に」=対象(テスト・試験など)
・「で」=場所・場面(仕事・学校など)

例:
・テストに失敗しました。(対象)
・仕事で失敗しました。(場面)
・プレゼンで失敗しました。


「で」と「に」の違いがわかると、この動詞の使い方がもっと理解しやすくなります。
で・に の違い|行動・存在・到着でわかる場所の助詞の使い分け

(4)成功する → に

例:
・プロジェクトに成功しました。
・実験に成功しました。
・ダイエットに成功しました。

(5)注意する → に

ポイント
・「人に注意する」=叱る・注意を与える
・「〜に注意する」=気をつける(意味が違う)

例:
・子どもに注意します。(叱る)
・学生に注意しました。
・車に注意します。(気をつける)

5. よくあるまちがい(理由つき)

× 電車を乗ります。
○ 電車に乗ります。
→ 「乗る」は乗る対象に「に」を使う。

× 道に渡ります。
○ 道を渡ります。
→ 渡る対象は「を」。

× イベントを参加します。
○ イベントに参加します。
→ 参加する対象は「に」。

× 友だちを相談します。
○ 友だちに相談します。
→ 相談を持ちかける相手は「に」。

家を出ます。(OK)/家から出ます。(OK)→意味が少し違う

6. まとめ(表でスッキリ)

動詞助詞使う場面例文
相談すると/に・いっしょに考える相手
・相談を持ちかける相手
先生に相談します。
電話する・電話の相手友だちに電話します。
連絡する・連絡する相手会社に連絡します。
手伝う・助ける相手友だちを手伝います。
乗る・乗るもの電車に乗ります。
降りるを/から・降りる場所
・出発点
電車を降ります。
通る・通る場所公園を通ります。
渡る・渡る場所橋を渡ります。
出るを/から・出る場所
・出発点
部屋を出ます。
似ている・似ている対象母に似ています。
驚く・驚く原因音に驚きました。
参加する・参加するイベント大会に参加します。
申し込む・申し込む対象クラスに申し込みます。
成功する・成功した対象実験に成功しました。

7. 練習問題(理解チェック)

(1)正しい助詞を選んでください

  • ① 先生( に / と )相談します。
  • ② 電車( に / を )乗ります。
  • ③ 道( に / を )渡ります。
  • ④ 家( を / から )出ます。
  • ⑤ イベント( に / を )参加します。
  • ⑥ 子ども( に / と )注意します。
  • ⑦ 映画( に / を )感動しました。

(2)自然な日本語にしてください

  • ① 電車を乗ります。
  • ② イベントを参加します。
  • ③ 道に渡ります。
  • ④ 友だちを相談します。

8. 解答

(1)

① に/と  → 相談を持ちかける相手は「に」、いっしょに考える相手は「と」
② に    → 「乗る」は乗る対象に「に」
③ を    → 渡る対象は「を」
④ を/から → 出る場所は「を」、出発点は「から」
⑤ に    → 参加する対象は「に」
⑥ に    → 注意を与える相手は「に」
⑦ に    → 感動の対象は「に」

(2)

① 電車に乗ります。 → 乗る対象は「に」
② イベントに参加します。 → 参加する対象は「に」
③ 道を渡ります。 → 渡る対象は「を」
④ 友だちに相談します。 → 相談を持ちかける相手は「に」

次回の予告

次の【シリーズ3】では、今回学んだ助詞と動詞の組み合わせをしっかり練習できる「練習問題編」をまとめています。
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